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食品工場における「食中毒のリスク」を考える

UPDATE
2019/04/22

食品工場など、食品を取り扱う企業にとって「食の安全」を確保することは避けては通れない課題となっています。今回は、食品工場における食中毒のリスクについて解説していきます。まずは、食中毒の現状を把握するため、厚生労働省の「食中毒統計調査」より平成30年における食中毒の発生状況をご紹介しましょう。

 

■食中毒の発生状況

平成30年は、全国で1,330件(前年比316件増)の食中毒が発生し、17,282人(前年比818人増)が発症し、3人(前年同)が死亡しています。


●食中毒の病因物質
食中毒の病因物質としてもっとも多かったのは「アニサキス」で468件、次いで「カンピロバクター・ジェジュニ/コリ」で319件、「ノロウイルス」で256件と続きます。

●食中毒の原因食品
食中毒の原因食品としてもっとも多かったのは「魚介類」で414件、次いで「複合調理食品」で77件、「肉類およびその加工品」で65件と続きます。

食中毒の原因施設
食中毒の原因施設としてもっとも多かったのは「飲食店」で722件、次いで「家庭」で163件、「販売店」で106件、「事業場」で40件、「旅館」で31件と続きます。患者数で見るともっとも多かったのは「飲食店」で8,580人、次いで「仕出屋」で2,682人、「事業場」で1,959人、「旅館」で1,266人、「学校」で1,075人と続きます。

 

■食中毒事故を起こしてしまうと・・・

食品を取り扱う企業が食中毒事故を起こすと、企業の存続そのものが脅かされます。まず、食中毒を発生させた事業者は行政処分を受けるとともに被害者への対応が求められます。当然、すでに流通している食品は回収しなければなりません。

また、食中毒関連の事故はマスコミでも大きく報道されるため、企業のブランドイメージ低下や商品の買い控えなどにつながり、売上減少を招きます。結果的に、事業継続が困難になるケースも少なくありません。

このような最悪の事態を避けるためには、第一に、食中毒の「リスクの所在」を把握しておく必要があります。

 

■食中毒のリスクがあるのはどこ?

食中毒は、微生物汚染が原因になるケースが非常に多くあります。食品工場における微生物汚染の原因は大きく、「原料が汚染している場合」と「製造・加工過程で汚染する場合」に分けることができます。

原料が汚染している場合は、魚介類や肉類、卵や野菜など、原料にもともと微生物が付着しているケースです。製造・加工過程で汚染する場合は、以下のように様々な要因があります。

 

●作業員

食品工場の製造ラインで働く作業員の手指、毛髪、唾、衣服などには微生物が多く付着しており、然るべき対策をしていないと微生物汚染を招きます。

●建物(天井・壁・床など)
食品工場の天井や壁、床は湿気が多く、カビが繁殖していることもありますし、特に床が濡れている場合などは、跳ね水が微生物汚染の原因になります。

●空気

微生物は空気中にも存在しており、食品工場内を浮遊している塵埃に付着して落下することがあります。落下・付着した場所に適度な水分と栄養素があれば、微生物はさらにそこで増殖します。

●設備・機器

食品工場にある設備・機器(成型機や包装機、コンベア類やコンテナ類など)の表面が汚れていると、微生物汚染のリスクも高くなります。ちゃんと洗浄しているから大丈夫だと思っていても、実際には細かい隙間などに汚れが付着しており、それが微生物汚染、食中毒の原因になることが少なくありません。

 

■まとめ

食中毒の「予防3原則」をご存じでしょうか?

 

1 「付けない(細菌による汚染を防ぐ)」
2 「増やさない(細菌の増殖を防ぐ)」
3 「殺菌する(細菌を死滅させる)」

 

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