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食品工場が教訓としたい食中毒事例

UPDATE
2019/05/20

残念なことに、食中毒の事件は毎年報告されています。近年は特に、O157やノロウイルスによる食中毒が増えている傾向にあります。食品工場が食中毒を出してしまうと、一夜にして企業存続の危機に瀕することは間違いありません。今後、食中毒対策を徹底していくうえでも、過去の食中毒事例を知っておくことは重要です。今回は、特に多くの被害者が出た食中毒の事例をご紹介していきます。

 

■雪印集団食中毒事件

2000年6月に起きた雪印集団食中毒事件は、食中毒事件のなかでも非常に有名な事例の一つです。当時の雪印社長が言い放った「わたしは寝ていないんだよ!」発言を記憶している人は多いのではないでしょうか。

雪印集団食中毒事件が有名なのは、一流の大企業が起こした食中毒であったことに加え、被害者数が非常に多かったことがあります。被害者数は14,780人にも上り、戦後最大の集団食中毒事件とも言われています。

食中毒の原因になったのは、北海道の工場で氷柱が落下したことによる停電でした。停電によって冷却装置が停止し、脱脂乳中で黄色ブドウ球菌が増殖し毒素が発生。このとき、雪印は原料を廃棄せず、殺菌して脱脂粉乳を製造・出荷しました。そして6月25日、雪印乳業大阪工場で製造された低脂肪乳を飲んだ子供が食中毒を発症したのです。その後も雪印の対応が遅れ、大阪・兵庫・和歌山など広範囲にわたって爆発的に被害者が増えていきました。被害者は嘔吐・下痢・腹痛など比較的軽い症状が多かったものの、入院に至った重症者もいました。

 

■白菜漬けによるO157集団食中毒事件

2012年8月、札幌市内・苫小牧市内の複数の高齢者施設にて、下痢や血便などの症状を訴える入居者が出ました。保健所の調査により、各高齢者施設で共通してある食品会社の白菜漬けが提供されていたことが判明し、その白菜漬けおよび有症者の便を検査したところ、腸管出血性大腸菌(O157)が検出されました。

高齢者施設だけでなく、飲食店やホテルでも感染例があり、スーパーで購入した白菜漬けを食べた4歳女児が死亡した例もありました。この集団食中毒は、発症者のほとんどが70代以上の高齢者であり、最終的に169人が発症し、8人が死亡する事態に至りました。

感染経路は特定されていませんが、「殺菌前と後の原材料を取り扱う区域の区分が不十分だった」「原材料の殺菌時に溶液濃度の調整を目分量でおこなっていた」「殺菌液の使い回しにより溶液濃度が低下していた」など、原材料の洗浄・殺菌に不備があったことが判明しています。また。「樽・ふたなどの器具が水洗いのみで殺菌が不徹底だった」「床に直置きしたホースで原材料に給水していた」など、施設・設備の管理に不備があったことも分かっています。

 

■仕出し弁当によるノロウイルス集団食中毒事件

2012年12月、弁当製造施設で調理・配送した弁当を食べた3,775人のうち1,442人が、下痢・嘔気・腹痛・嘔吐・発熱などの食中毒症状を訴える事件が起きました。食品や施設の拭き取り検査からはノロウイルスは検出されませんでしたが、従業員69人のうち22人からノロウイルスが検出されました。

この弁当製造施設は最小限の人員配置で運営しており、調理員の体調不良時の対応策が確立されていませんでした。さらに、調理器具やトイレなどの洗浄・消毒が適切におこなわれていませんでした。このような不備が調理員間における感染拡大を招き、弁当の汚染、食中毒の発生につながったと推察されています。

 

■まとめ

上述のような食中毒事件を防ぐには、「食中毒の予防3原則」を徹底する必要があります。

 

【食中毒の予防3原則】

1 「付けない(細菌による汚染を防ぐ)」

2 「増やさない(細菌の増殖を防ぐ)」

3 「殺菌する(細菌を死滅させる)」

 

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